万感の思いをこめて

今週の月曜日、明け方に起きて決勝を見守ったのが遠い昔のように思われる。
故障明けということで心配したけれど、決勝Tに上がってからは奮迅の活躍をしていたシュバインシュタイガー。カーン、バラックの系譜を継ぐ彼は、チームメイトを鼓舞し続けた。相手の決定機を阻む盾となって、ダブルスライディングで削られても、相手との接触で顔から血を流しても、立ち上がって、闘い抜いた。

そして待ち焦がれた瞬間。
 
source: fifa.com. 
 

2006年、自国開催での大会では攻撃的なフットボールを展開して、ヴェンゲル氏に"一番いいサッカーをしているのはドイツ”と言われながらも準決勝で散った。FIFAの不可解な裁定でフリンクスを欠いたその試合は延長に突入し、残り時間ほんの僅か、朝食の準備をしながらこれはPKになるだろうと思った矢先イタリアに突き放された。あれから8年、その後も鮮やかな攻撃で観るものを魅了したが、あと1歩のところで栄光に手が届かなかった。今大会、ドイツは萬人の認める強さで24年ぶりに頂点に立った。黄金の紙吹雪が降り注ぎ、優勝トロフィーを掲げた。南米開催の大会で欧州のチームが優勝するという初の快挙を以って。

祝福を!

 
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ニコ・コヴァチ去り周防さん来る

2014W杯も残すところ僅か。1994年から開催を楽しみんで来たが、応援してきたチームが時に悪夢のように敗退して涙を呑んできたので今回は入れ込まないはずだった。

開幕戦が終わったその日だったかインターネットでニュースをチェックしていたところ、クロアチア代表選手だったときに応援していたニコ・コヴァチ (Niko Kovač) が指揮官になっていたことを知った。 

代表だった頃の風貌は古代の戦士のようで、EURO2008では”闘将”としてチームを牽引していた。ベスト8でトルコ相手に死闘の末PK戦で敗れ、2009年には代表を退いた。

監督になってどうなっていらっしゃるのだろうとドキドキしながら試合映像を探した。長めにしていた髪をバッサリと切って整髪料で美しくまとめ、スーツ姿がビシ〜ッと決まって完璧。W杯観戦史上No.1のlooks。ピッチを見つめる"人の心の芯を射るような” 鋭い視線。筋金入りな感じでありながらも、どこか翳があって、愁いをたたえている。

 
Niko Kovac 

ニコ・コヴァチが監督ならば!今大会のクロアチアのことを調べてみたら、ありえない不運の嵐。

疑わしい組み合わせ抽選の結果、クロアチアに割り当てられたのはA2。開幕戦でブラジルと対戦すること(しかもマンジュキッチは出場停止)、試合会場の移動距離や気候条件...どこの国もここだけには入りたくないであろう地獄枠だった。しかも鬼のようにGLを突破してベスト16で散るメキシコ、身体能力が高くハマれば怖いカメルーンが同居する。悲劇はそれだけで終わらなかった。FIFAが開幕戦を任命した審判はクロアチアの勝ち点を奪い去った。

Neymar escapes red card as referee hands Brazil soft penalty (via @MailSport)

クロアチアに立ちはだかった"過酷な笛" (source: footballista)

相性的にもクロアチアはブラジル戦で勝ち点を獲る計算だったはずだ。やりにくい相手はむしろメキシコで、初戦をあんな形で落としたためGL突破のプランは大きく崩れたことだろう。GLのゲームすべてで公平な笛が吹かれていたら・・・という記事があったので以下参照。

The Last 16 of Justice: How the World Cup would look if the refs had got the big calls right
(source: FourFourTwo)


腹立たしくやりきれない開幕戦が終わり、続くカメルーン戦の試合会場はマナウス(実況中継の中でマナウスで試合をしたチームは次のゲームで敗退していると言われていたなあ)。高温多湿の過酷すぎる気候条件の中で勝ち上がる可能性を上積みするためクロアチアは攻め続け消耗を強いられた。


メキシコ戦が終わった翌日、新聞のW杯特集欄に”クロアチア監督「刺激もらった」”という見出しの小さな記事が載っていた。

”クロアチアのコバチ監督は潔かった。「メキシコの方が優れていた」と素直に認めて、
試合後には相手選手に拍手を送った” (source: 朝日新聞6月25日朝刊より一部抜粋)

ゲーム終了のホイッスルが響いたそのすぐ後、得点のたびにド派手に喜びを爆発させていたメキシコ監督の元へ向かい、穏やかな仕草で讃えていた後ろ姿が蘇る。あのシャツの白さ。チームには綺羅星の如く煌めく才能を持った選手たちがいて充分GL突破を狙える力もあったというのに、なんという悲運なことだろう。

できるだけ長く、試合中継の途中にアップで抜かれるニコ・コヴァチを観ていたかった。けれどその瞳は既に未来を見据えている。変わらぬ強気さもステキです♡

【W杯】クロアチア・コバチ監督、敗れて悔いなし「続投?当然だ」 (source: スポーツ報知)

 
Niko Kovac 
                                                                                
クロアチア敗退ショックからようやく立ち直りかけてきたところ、昨日から『カーネーション』に周防さん登場。再放送が始まった頃にはまだまだ先かと思っていたのに時間の流れるスピードには戦慄する。

この日放送されるはずの、周防さんが糸子の作った水玉のワンピースについて訥々と語り「かっこよかし、きれいか」と結ぶシーンがとても好きだったので観る前からテンションが上がる。放送が始まって、本放送のときから一緒に観ている息子が「昨日周防さんが三味線弾いて謡ってたのって「悪魔の手毬唄」で出てきたのと同じだよね」と言ってきた。

リカさんが結婚する前は寄席に出ていたというくだりで、そのときに流れる女道楽のシーンがそれだ。

『カーネーション』と『悪魔の手毬唄』は、小林薫サマ演じるお父ちゃんが火ダルマになり大火傷を負うところを目の当たりにしてしまった糸子が、多々良放庵言うところの"お腹の子に赤痣が伝わる"のではと心配するシーンで繋がっている認識があったけれど、周防さんのシーンでも繋がっていたとは不覚だった。

#Niko Kovač #carnation #Ryuichi Suohweb clap!