10月後半のおやすみソングにうっとり

"0655"は知っていたけど"2355"は最近まで知らなかった。なんたる不覚。
(0655は朝6:55、2355は夜23:55から教育テレビで月〜木曜日に放送されている5分間の番組)

0655は数ヶ月前からちょこちょこ見てはいたが、さすが佐藤雅彦氏プロデュース!!と唸ること請け合いの番組で、最近は朝の日課になっている。
特に気に入っているのは「日めくりアニメ」。そのシンプルさは以前持っていたフランスの小さな日めくりカレンダーを連想させる。毎回どんな仕掛けで前の日のカレンダーを切り取ってくれるのかが楽しみだ。

0655の9月のおはようソングは、オープニングで流れる『朝が来た!』のロングバージョンで、あの映像に毎朝(金曜日はありませんが)脱力させられていたのだが、10月のおはようソング『がんばれweekday』は、曜日ごとに映像も歌詞も違う。オフィスに勤める女性役で蒼井優さんが出演しているのだが、水曜日バージョンだったか彼女がくつろいでいる部屋のインテリアがさりげなくもいい感じだった。特に椅子とか。

肝心の2355を見てみた。「日めくりアニメ」では今日のカレンダーが切り取られ明日の日付になった。10月後半のおやすみソングは『factory of dream - 夢を作る工場』だった。

静謐で重量感のない不思議な空間。やさしい色調。
BGMは"I don't want to play  in your yard"。
この曲を聴いたのは何年ぶりだろう。昔すごく好きだった曲とこんなところでまた出逢えるとは。。。
隣り合うパズルのピースのように、Peggy Leeの歌声とシンプルな伴奏のしらべがアニメーションの映像に絶妙に嵌っている。ナレーションも心地よく、1日のリセットのスイッチをやさしく押してくれる。

おおいなる損失

緒形拳氏が急逝されたとさきほど知った。
最近拝見していなかったので、真っ先に思い浮かぶのはTVドラマ『ナニワ金融道』と『愛はどうだ』のときのお姿だ。

氏が社長を演じた『ナニワ金融道』の”帝国金融”は、社員の面々がそれぞれに個性豊かで毎回とても楽しく観た。桑田役の小林薫氏と一緒のシーンなどは、もうたまらなかった。渋くて、上手くて、温かい。社長の作る鍋はとてもおいしそうだった。

それまではギラギラした人、鬼気迫って凄味のある人というイメージで苦手だった緒形拳氏だったが、身近なところでいい俳優さんだと認識させてくれたのが『愛はどうだ』だった。

妻を亡くし、年頃の三人娘と暮らす父親の役だ。
娘を愛するあまりにときに娘を怒らせる行動に出てしまう父の顔、亡き妻の友人で最低限の家財とミシンがあるだけの淋しいアパートで健気に待つ女(渡辺えりさん)の部屋できゅうりの漬け物を丸ごと1本ぼりぼりと齧る顔(この二人のシーンは凄く好きだった。彼女がいつも欠かさずきゅうりを買うので、八百屋さんだったかに「かぶとむしでも飼ってるんですか」と訊かれたという台詞も楽しい)、好意を持っているデキる女上司の前で見せるデレデレした顔。

どれもこれも非常に柔軟に演じられていて、それまでのイメージが払拭された。緒形拳という人はとても好きな俳優の一人になった。

『愛はどうだ』最終回の前の回の最後で、自身の部下(福山雅治…この頃のほうがすきだったなぁ)と交際中で、いずれ嫁に出す時にはあれもしてこれもしてと楽しみにしていた次女(つみきみほちゃん…可愛かった)から妊娠を告げられる。裏切りにも思える次女の突然の告白に驚き、そして嘆き崩れる。「俺、なにもしてやれないよ…」と涙を流す父の姿は圧巻で、思い出すとこちらまで涙が出そうになる。
「名無しの探偵」シリーズもよかったなぁ…

肉体は消えても、その名演の数々はいつまでも記憶に残る。ご冥福をお祈りします。

うますぎるCM

先日狙って観ていた訳ではないテレビ番組で知ったのだが、埼玉県の人々は、尺八を吹かれ「風が語りかけます」と来たら『うまい、うますぎる』と言ってしまうらしい(笑)。これは埼玉テレビで放送されていた"十万石まんぢゅう"のTVCMによるもので、包装パッケージを飾るのはかの棟方志功!!CMにも登場していたが絵といい文字といい、すごく味のある好きな雰囲気。お菓子のパッケージといえばマッターホーンやこけし屋の鈴木信太郎だったけれど、これは思わぬところでの嬉しい情報だった。

CMといえば、センセーショナルだったのが'82サントリー・ローヤルの『ランボオ篇』で、もともと道化師(フェリーニ、ルオー、三岸好太郎)やナイフ投げ(「サンタ・サングレ」、「橋の上の娘」、「サンタ・サングレ」)などに弱いこともあり(…待てよ、もしや道化師好きの出発点はここだったのかも…)、全体を覆う妖しい美しさ、マーク・ゴールデンバーグの音楽(後にアルバムを買いアレンジが違っていてガッカリした覚えが)、キャッチコピー、全てが衝撃だった。'84の『ガウディ篇』も前作に負けず劣らず、より不思議な雰囲気(アンバランスなスタイルのバレリーナが最後に取る変なポーズも忘れ難い)を湛えており、このCMでガウディの作品群やバルセロナという街の名を脳裏に刻み込まれたのは私だけではあるまい。

近年で一番好きだったのは2003か4年のフォルクスワーゲン、ニュービートルのCM。
"Sunny"をBGMに映されていくどこか異国の景色、人、雨…灰色の雨空の下、誰もいない砂浜に無数の閉じたパラソルが佇むシーンは今も胸に灼きついて離れない。
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バレーボールロシア男子黄金時代復活!?

冷凍庫のような寒さからは解放された札幌だが、積もった雪が凍ったり溶けたりで憂鬱は続く。
なんで日本でいっつも開催されるのか疑問なバレーボールのワールドカップだが、今回は近年になくロシア男子(モリボガという選手がいた頃からファンだった)が強いらしいと小耳に挟んだのでTV観戦。毎度のことながらどうしてここにいる必要が??な芸能人&一方的で無理ありすぎな解説に耐え、なんとか強いロシアを見届けた。
背中に"CCCP"の文字を背負い、ポイントが入っても誰一人表情ひとつ崩さぬ、あのソ連黄金期を思い出した。その頃&ソロコレート選手(憂いのあるボーギャルソンぶりが大好きでした)の活躍した時代のゲーム(ただしvsUSA戦だけはイヤ)をもいちど観たい...clap & send message

さらば、お頭

雲霧仁左衛門 TV版 8枚BOX<br />
 TV版 8枚BOX<br />
1995年の放送当時、局側の事情?できっちり放送されなかったらしい『雲霧仁左衛門』。昨年CSで放送され途中までは欠かさず録画していたのだったが、時はW杯ドイツ大会。気持ちはドイツ代表まっしぐら・・・はたと我に帰ったときにはもう放送が終わっていた。しかし、今年に入ってまた放送が開始され、途中までは録画してあるもんねぇ〜とタカを括っていたら本日最終回...

不倶戴天の敵めがけ煙幕の中斬り込んでゆくお頭"雲霧仁左衛門"=山崎努氏のかっこよさといったら!! ずっと昔に放送された(おそらく「新必殺仕置人」の鉄っあんを演じていらした頃だろうか)平岩弓枝シリーズのひとつの中で、山崎努さんが演じた世界を股にかけるエリート商社マンの役は今も忘れられない。

彼は若尾文子演じる同じ社の社長秘書と恋に落ちるのだが、彼女は小沢栄太郎氏演じる社長の魔の手に堕ちて社長夫人になってしまう。それでも彼は彼女を思い続け、彼女もカゴの中で飼われる鳥のような生活を送りながら心の奥で彼を思っている・・・。彼が彼女に贈ったイタリア土産の真紅のヴェネチアン・グラスが二人の愛情を象徴するアイテムとなっていた。彼女は夫の家を出て自立した生活を始めて、二人は一緒に暮らそうとするのだが・・・人生はドラマの中でさえままならぬもの、二人を繋ぐヴェネチアン・グラスは砕けて散った。せつない。

すっかり脱線してしまったが、「雲切」の話に戻ろう。州走りの熊五郎=本田博太郎氏の要所を押さえた役回りとその演技は最終回でもいよいよ冴えていた(何をやっても独特の存在感にはすごいものが…「御家人斬九郎」ゲスト出演での血も涙もこれっぽっちもない120%悪な男の役は壮絶に怖かったし、佐藤浩市と加藤雅也が超絶にカッコ良かったドラマ「天国への階段」で主人公の浩市さんを強請り、"コガネムシは金持ちだ〜"と歌いながら自転車で町を走るシーンも忘れ難い・・・

ドラマの終盤、普通の町人として、鍋の底を直していた熊五郎。お頭を守るために自刃して果てた小頭・吉五郎の分も平穏に恙無く生きてゆくのだろう。エンディングクレジットで流れる音楽の、ストリングスのあの艶っぽい音色をずっと聴いていたい気分にさせる最終回だった。

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